こちらでは、山形県で専門看護師の資格取得を目指している方に向けて、県内の現状をお伝えしていきたいと思います。また、専門看護師に類似した“認定看護師”についても情報提供させて頂きますので、よろしければ併せてご確認ください。
もちろん、居住する地域・働く地域によって専門看護師資格の認定を受けるのに差別があるわけではありません。専門看護師の門戸自体は平等に開かれています。
何せ、専門看護師になるためには看護大学の大学院に進学し、さらに看護職として5年以上の経験が必要になります。しかも、その5年にわたる経験のうち、3年以上は専門看護師を目指す専門分野での実績を積まなくてはなりません。そうそう簡単になれるものではないのです。
既に看護師として働いている方が今から専門看護師になるのであれば、休職覚悟のリスクを負うことになるでしょう。
働きながら専門看護師の資格を得るとなると、職場の全面的なサポートが必要になるのです。そして、残念ながら今の山形県にそれだけの状況が整備されているとは言えないのが実情です。
専門看護師だけでなく、一般の看護師より専門性の高い仕事ができる看護師として、認定看護師という資格もあります。どちらも日本看護学会が認定する資格で、簡単にいえば一般の看護師以上、専門看護師未満の位置づけです。
ただ、やはり認定看護師のほうも山形県では不足しており、僅か80名しかいません。
これも、山形県内に認定看護師資格を得るためのサポートが整っていないことが大きな原因と言えるでしょう。
認定看護師になるためには看護協会の研修センターで半年以上の研修を受けなければなりませんが、そのための機関が山形に1つも存在しないのです。それどころか、隣県にさえ研修機関はゼロ…。
資格を得るための研修を受けるなら、関東地方まで出向いて、半年以上にわたる全日制の研修を受ける以外に道はありません。
150万円を超える学費を支払い、6ヶ月も関東地方で生活するのは並大抵のことではありません。このままでは、山形県の認定看護師が順調に増える日はなかなか来ないでしょう。
以上のように、山形では専門・認定看護師の資格を得るためのサポート体制がいまだ整っていません。本来なら自治体などが全面的にバックアップして解決すべき問題ですが、なかなか目途がついていないのが現状です。